2017年06月19日

スモーク 、イン ザ スープ 、マギーズプラン、 はじまりへの旅

『スモーク』という映画は、大昔にヴィデオで見て、とてもいい印象を持っていた。

ハーヴェイ・カイテル、ウイリアム・ハートは、その頃飛ぶ鳥を落とす勢いだったし、なんといっても、製作、脚本がポール・オースター。見ない手はない。

というわけで、早稲田松竹で鑑賞。

1度目に見たときのほうがよかったのは、何故かしらん。

ウィリアム・ハートは、銀行強盗に妊娠中の妻を亡くしてしまう。

ハーヴェイ・カイテルは、かつての女に子供がいたことを知る。

ウィリアム・ハートは、車に轢かれるところを危うく助けてもらった黒人の男の子と共同生活を始めるが、その男の子は、蒸発した父親を探している。

三者の親子関係が縦の軸で、この三者が横の線。この関係性が物語を動かす。

少年は、ウィリアム・ハートの命を助け、ウィリアム・ハートは、少年を友人であるハーヴェイ・カイテルのところで働くように斡旋し、少年の失敗により、ハーヴェイ・カイテルが禁制品の葉巻の儲けを台無しにされたのを、少年が犯罪から得た金で償い、その金で、かつての女と娘を助け、ハーヴェイとウイリアム・ハートは、少年と父親との関係回復を手助けし、ハーヴェイは、書けなかった作家であるウイリアム・ハートにとっておきのクリスマスの話のネタをプレゼントする。

この三者がそれぞれに、プレゼントを与えっこをして、話が終わるという文学的な作品である。

ま、こんな心温まる話が、ニューヨークにあるはずはない。しかし、ありそうだと思わせるのが、上手な嘘。

最後の、ハーヴェイ・カイテルの「作り話」は、ポール・オースターの小説の作法に通じるのかもしれない。

併映は、スティーブ・ブシェミ主演の『イン・ザ・スープ』。

印度哲学の勉強会の合間に見たのと、朝、10キロトレイルを走ったので、最初の20分位完全に寝てしまった・・・

ジェニファー・ビールスいいですね。笑うと犬歯あたりの歯茎も見えて、笑ったチワワみたいに思えました。

とても、綺麗なのですが。

翌日は、ギンレイホールで、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』と『はじまりへの旅』の日本。

早朝、田で雑草取りをやった跡で映画を見たので、『マギーズプラン』の方は、ちょっと集中力が続かない感じで、見ておりました。

イーサン・ホークの出る映画で、面白かったのは・・・『ガタカ』くらい、あと、『今を生きる』はいい映画だった、あのシェークスピア劇やる少年が嫌だったけれど、それに出ていた?ということで、調べてみたら、ああ、あの、「オーキャプテン」とリンカーンのことを詠んだホイットマンの詩を口ずさみながら最初に勉強机の上に土足で立ち上がる少年だったのか。。。。

この間見た、『ブルーに生まれついて』も、イマイチな気がしたので。

『ジュリアン・ムーア』も嫌いな女優ではないけれど、年を取ったか腰が落ちちゃって、歩く姿がおばあさんっぽかったかな。

というわけで、特別な感慨なし。

子供が欲しいだけで、結婚生活はいらない、という女の人は多いのだろうか?

複雑そうな三角関係ではあるのだが、主人公は、

 

 

『はじまりへの旅』は、文明を否定し、山の中で野生動物の猟をしながら暮らしている元ヒッピーの家族の話。

最初は、これは、やりすぎだよ・・・と、この家族に距離を置き始めて、いわゆる物質的なものを楽しみ、隣の人がやるようなことを自分もすることを推奨されるような社会に埋没していく生活の倫理というものがいいのではないかと思わせるあたりが、監督のうまい所で、そこからのどんでん返しが、胸のつかえを一気に吹き飛ばしてくれるいい映画ではありました。

一家の家長として、父権的な独裁者を演じていた父が、自分の非を認め、息子たちの人格を認めたときに、取り巻く世界が変わっていく。子どもたちも父親をリーダーとしてではなく、傷つく同じ家族の一員であると認めながら。

父は、髭をそり、息子は長髪を切る。

子は、父親を超え、父親は、子にすべてを信頼して彼らの未来を託す。

ラスト、この親子は、ヒッピー生活を行っているものの、山の中の狩猟生活ではなく、どうやら、農業のような生活を始めている模様。角々しい生活が丸くなって、穏やかに子どもたちも父親もなっているのが良かったですね。

posted by ロビオ at 15:50| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする