2009年11月13日

杯(さかずき)に口をつけた以上・・・

誰もいない早朝の暗闇を今日も走る。体調万全。

一週間玄米を食べ続けると、出るものはすべて出てしまい、体重が何もしないのに、1キロストンと落ちてしまった。このまま、あと3キロは痩せてみたい。

時折小雨がぱらつく天候で、日の出は拝めない。雲に覆われて放射冷却が無い分暖かな朝だ。

松下竜一氏の著作「ビンボーひまあり」だったか、の中に、、夫婦二人と犬数匹で日課の散歩に行き、「今日の夕陽は何点?」と二人で点数をつけあっている微笑ましい文章があったのだけれど、ボクの場合、夕陽に関しては、全くの門外漢ではあるけれど、最近は、朝日にかんしては、権威になりつつある。日の出の際の空の色に関しては、毎日毎日異なっていて、物事の本質は細部に宿るというけれど、毎日色、様子、風の強弱温感、全く同じというものが無く、観察すれば観察するほど、奥深さを感じていく。

そして、月である。これが又鑑賞に値するほどのもので、時に、大きな黄色い月がぽっかりと毘沙門天の山の端にぽかりと浮かんでいるときもあって、最近は、頭を廻らして月の在処を探すのが常となっている。

古典で、平安貴族が寝待ち月だの宵待ち月だの風流な月の名を名付けていたのだけれど、太陽暦になって、そうした自然との関わりを失ってきているのは悲しいこと。月齢の時計も確かあったような。

こうして、月や太陽がゆっくりと動いているのをみていると、地球という天体が猛スピードで軌道を突っ走っていることを忘れてしまいそうであるけれど、iPodからAC/DCを大音量で聞き終えて次の曲との合間の僅かの静寂の時に、その轟音をたてて疾走する地球の発する音を微かに耳にするような気がする。

Back in black I hate to say it

I've been too long i'm glad to be back

言いたかないが、バック・イン・ブラック

戻れてうれしいよ、長すぎたがな

名曲、バック・イン・ブラック。勿論AC/DC演奏。

今日は、月も朝日も今日は拝めなかったけれど、体調は万全で、心拍数もほぼ130あたりで軽めのジョグ。これが、体調が悪いと、ゆっくり走っているつもりでも心拍が150あたりをうろうろしていることがあって、そんな時は、足がパンパンになっていることが多い。無駄な力が入っているのだろう。

「あなたが道を行くとき、出会った人や体験が人生ではなくて、その道自体を人生というのよ。」というのは、ボブ・ディランの祖母が彼に語った言葉。

長く曲がりくねった坂道を登っているとき、いつもその言葉を思い出す。

「人生という大きな杯にいったん唇をつけた以上、最後までこれを飲み干さなければならない」とイワン・カラマーゾフがアリョーシャにといったのだけれど、これは、生まれてしまった以上、死ぬまで精一杯生きなければならないということなのだろう。その杯が美酒だろうと不味い酒だろうとだ。

「時の重圧に耐えるために人は常に酔っていなければならない」と書いたのは、ベルレーヌだっか、ボードレールだっか。

だとしたら、酔いどれ詩人が酔っていたものとは、人生そのものなのだろう。

ボクは、人生に酔い続けていることができているんだろうか?

そんな手がかりを探すために、母親の子宮をけっ飛ばして飛び出たその足と同じ足で、今日も、暗闇の住宅街やら寂しいゴミ焼却場の坂道を走っていく。

近代国家が成立したその根本には、人は生まれたときに、国家によって不可侵な自然権たる基本的権利をもっている、というフィクションがその基礎となっているのだけれど、その裏返しの義務というものは、おそらく、生まれた以上懸命に生き抜かなければならないということだ。

Out of the blue,into the black

It's better to burn out

Than to fade away

ニール・ヤングが、渾身の力を込めてオールドギブソンをディストートして、iPodの中で叫んでいる。

一難去ってまた一難、消え去るより燃え尽きたい

カート・コバーンは、この歌詞を書き残して自殺したのだとか。

なかなか生き抜くことは難しい。

そういえば、長谷川恒夫の著書は「生き抜くことは冒険だよ」だったっけ。そう、生き抜くことは大変なのだ。

走ることは、考えることだ。考えることは、生き抜くことだ。諸々の行為は、生き抜くことに究極的に繋がっていく。

posted by ロビオ at 10:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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