しかし、夏の白石峠というのは、ツライものがあって、2回目なんて、挨拶もなしに追い抜いていった奴がいて、後ろにぺたりとついて追走したものだから、心拍数は170をキープ。
が、こういうレースもどきを、白石峠で、しかも2回目でできるというのが嬉しくなってしまって、ダンシングを交えながら、最後の最後まで勝負できるような余裕を持って走り切れたのは、少し力がついたのかな?
そんなわけで、3回目の挑戦する気力も失い、刈場坂峠に通じる道を上ったのが、大失敗。勿論、いつも白石峠の早道として利用しているこの道も登るのは今回が初めて。
この道、疲れた体で登るような坂でもなく、ほとんど木陰もなく、鬱蒼たる背の高い雑草が道の両脇に生えており、アマゾン川の支支流をゴムボートで進むが如く、いつ果てるともない坂道を喘ぎ喘ぎ登るのでした。
途中、ノーマルクランクに25のスプロケの自転車乗りが、ダンシングでバランスの悪い竹馬乗りみたいにフラフラしながら登っているのを、「なっかなっか終わらない坂道ですねえ」と挨拶しながら追い越したんだけれど、あんなに前の太股の筋肉を使って、低ケイデンスで登ったら、すぐに終わっちゃうだろうな、と思い、自分のトリプルでカセット23ならば、なんとかそれほど前の太股の筋肉を使わず、腹筋で足を持ち上げ、ケツとハムストリングで押し下げることができるので、このあたりの山で遊びたい人には、トリプルは必須だと改めて思ったのだった。
途中、背中の真ん中を打ち抜かれたように、鳥の糞が命中。「んにゃろう!」と、嗤いながら逃げるヒヨドリに、罵声を上げる気力もなく、奴隷船の奴隷のようにひたすら重いクランクを引っ張り上げ押し下げる。
噛みしめる奥歯の当たりから、「足ついて休んじゃおうかな」という声が聞こえてくるのだけれど、夏至の直線的に降り注ぐ白日夢のような道で、ボトルに水もほとんど残っていない状態でここで一度休んだら、グリーンラインで遭難っぽ・・・、と不安がよぎる。それに、ここで足を着いたら、二度と立ち上がれないんじゃないかと思えるほどだったので、なんとかこのままこの坂を終わらそうと、頑張ってみる。今日、一番の頑張り所だ。
餓死寸前のゴキブリのように脱糞ミイラ化状態で、汗が溜まる手首当たりには、見事な四角形の岩塩のような塩の結晶ができており、触るとジャリジャリと皮膚の上を転がり、サイクルジャージの肩の辺りは埃っぽい土の上での転んだように真っ白の塩が浮いている、生きる屍の様ではあるけれど、只こぎ続けるので生者とわかるようなそんな感じで、なんとか登り続けるのだった。
何度かスイッチバック的坂を登るたびに、またスイッチバック的坂が現れるのに絶望しながらも、出口が見えて、グリーンラインに戻る。生還したような伸びやかな気分になる。
さてと、水を飲まなきゃ、というわけで、色々考えたのだけれど、一番近いのは関八州の売店だな、頑張らなきゃと、猛スピードでオアシスを目指す。
「なっちゃん」「お茶」「ポカリスエット」をごくごく飲み干して、今日1日の出費470円をここで使う。
しかし、グリーンラインと白石峠で遊ぶと、何処にも売店がないので、お金を全く使わない。いつもは、背中のポケットに、おにぎり3つねじ込むので、水さえ手配できれば、お金は全く使わないのがなによりお得な遊び場だ。
ざ〜っと清流林道を乗り越えて帰って、無事生還。
ボトルに梅酢を少し垂らすて、やや塩味が残る程度にしておくと、足が攣ることが軽減するようだ。今回、かなりしんどかったけれど、攣る気配は全くなかったので、これは大成功。
翌日、午後から用事があったので、MTBで繰り出す。
とにかく、腿の全面筋肉を使用しないようなペダリングができるようになってきて、腹筋と骨盤で腿を上げ、ケツとハムストリングで押し出すようになって、疲れがだいぶ違うので、激坂を登りながら、もっとゆっくりとこのあたりのペダリングの練習がしたかったのだ。
というわけで、いつものようにあの坂道をひょこひょこと登る。
こう来てこう押し込む・・・みたいなことを延々と練習して登るのだけれど、今の季節水が多くてつるつる斜面は良く滑る。
とりわけ、僕のリアタイヤは、「ミブロ」という凹凸がまあまあ大きなタイヤなのだけれど、ここ1年で随分とすり減り、「ミブロマラソン」というジープロード系を走る摩擦の少ないタイヤとして、第2の人生を歩んでおり、ペダリングで滑る石を越えようものなら、横滑りして面白いように前に進まないので、体重移動で気合いを入れて上半身を使いながら登るのが、また楽しいので、このままミブロマラソン化したタイヤを愛用しようと思っているのだ。
そして、このタイヤの外側の溝は、幾分千切れて無くなっているけれど、まだ擦り張らずに残っており、この部分を利用して摩擦を利用するというアクロバティックなタイヤの使用も、バランスの取り方の練習になって良いのではないかと思えるのだ。
しかし、必要以上に、自転車を傾けるティルト走法になるので、スライディングする可能性が二乗倍に高くなるので、要注意ではある。
ガツンと降って、例のバンクに乗れる2個のカーブを飛んで向こう側のバンクに着地できるようにいつも練習しているのだけれど、その飛ぶタイミングが微妙に遅れるか速すぎて、もさっとして、体の向きを変えることがなかなかできない。
多分、あっという間の体重移動ができないと、ダウンヒル選手のように体を入れ替えるのは難しいと思われる。
後輪のつるつる特性を頭に入れながら、なるべくタイヤの縁を路面に突き立てるように意識しながら、グリップを確保するなんざ、コンピュータ制御の自動車のような緻密な計算を頭の中でしており、なかなか気持ちよく、その効果があったかどうかは別として、自転車をコントロールしている!という意識がライディングの楽しさを倍増していることは間違いない。
走れば走るほど課題が見つかり、MTBもなかなか奥が深い。
今日は、累積標高1000メートルまで乗ろうと思っていたので、盛んに登る。どんなところでも良いから、道があれば登ってしまうのだ。
ロードも楽しいけれど、マウンテンも楽しい。
バーズの「ターン!ターン!ターン!」を口ずさみながら、文左衛門を高速でジャンプしながら飛び降りるように降って、今日はおしまい。
そう下手になっていないみたい。ちょっと安心。


真夏並みの暑さの土曜日に、水分も残り少ない状態で、
それも白石ダブルの後に行くなんて、自殺行為です。
オジサン自転車乗りなんだから、自重してくさい。
僕は絶対上りません。あそこは下りオンリーです。
ひょっとして、白石峠より長いんじゃないの?
でも、たけきよさんに、この道を教えて貰って、重宝しています。
高篠峠とこの道と白石峠のW型の坂道があれば、まあ、この夏は退屈せずに、このあたりで遊べそうです。